社員の声や不満は、会社が変わるための“気づき”です
先日、ある企業様から「リーダーとしての対応に問題がある社員」
についてご相談を受けました。
本人は自覚がない一方で、部下たちから不満が噴き出している
という状況でした。
その方は、人手不足のなかで「パソコンが使える」「社歴が長い」
という理由からリーダーを任されていたそうです。
しかし、仕事を自分の損得で判断したり、
トラブルが起きても知らん顔をしたり、
頼まれた仕事を期日までに終えないなど、
チームの信頼を揺るがす行動が続いていました。
多くの会社では、こうしたケースに対して
「異動させる」「降格させる」「役割を変える」といった
人事的対応を検討されます。
もちろん、一時的な混乱を避けるために必要な判断もあります。
ですが、それだけでは本質的な解決にはなりません。
なぜなら、こうした問題の根っこには
「マネジメント教育の不足」「上司が育ててこなかった」
「人がいないから任せた」といった、
会社の仕組みや体質の問題が潜んでいるからです。
社員の声や不満は、会社が変わるための“気づき”です。
個人の問題に見えて、実は組織全体の在り方を映し出しています。
だからこそ、異動や降格の前に、
仕組みの見直しや育成体制の整備に目を向けることが大切です。
経営環境が厳しいなか、
「今すぐ効果の出る方法」を求めたくなるものですが、
人と組織の問題には特効薬はありません。
時間をかけて、会社の体質を変えていくこと
それが最も確実な処方箋です。
ご相談を終えた経営者の方が、こんな言葉を残されました。
「今日は社員の話をしていたつもりが、私たち自身の学びの時間でした。」
社員のつまずきは、会社の変わりどきのサインです。
人を責めるより、組織を変えることから始めましょう。
経営者・幹部の皆さまの“壁打ち相手”として、いつでもお話を伺います。
会社を変えるのは、皆さん自身です。
