今日の新人は、明日の育成担当者 ~未来 につながる成長物語~
今年も、恒例となった育成担当者研修を実施しました。
この会社でスタートしてから、もう4年目になります。
なんと今回は、
1年目に受講してくれた育成担当者が育てた新入社員2名が、
今年は新たな育成担当者として研修に参加してくれました。
「育てられる側」から「育てる側」へ。
まさに育成のバトンが、
しっかりと引き継がれていることを実感しました。
1回目育成担当者の悩みと葛藤
最初の研修を実施したのは、
ちょうどコロナが落ち着き始めた頃でした。
マスクをしたコミュニケーションが当たり前となり、
学生時代に活動を制限されていた新人たちを
どう指導すればいいのか、
育成担当者はたくさんの悩みを抱えていました。
Aさん:新人が自分から挨拶してくれないんです。
声も小さくて、聞き取れないこともあって。
Bさん:「はいっ」て返事してるんですけど、
わかってるのかどうか全然伝わらないんですよね。
Cさん:みんな真面目なんですけど・・・
なんだか元気がないというか、覇気がなくて・・・。
年齢はさほど離れていないのに、
全く違う学生時代を過ごしてきた後輩たち。
「何を考えているのかわからない」
「どう接していいのかわからない」という戸惑いを
率直に話してくれました。
研修で伝えたメッセージ
そのとき私が伝えたのは、ズバリ解決策ではありませんでした。
私:後輩を育てることは、
実は自分を成長させる一番のチャンスなんです。
私:悩むっていうのは、それだけ真剣に向き合っている証拠ですよ。
人を育てるのに悩みはつきものです。
私:新人育成は、担当者一人で頑張らなくてもいいんです。
チームや組織全体で取り組むことが大切です。
そして最後に、応援する気持ちを込めてこう伝えました。
私:だから、一人で抱え込まないでください。
困ったときは先輩に相談してみましょう。
そして、あなたを育ててくれた先輩も、
きっと同じように悩みながら育ててくれたはずです。
そのことに感謝して、一緒に頑張りましょう!
その瞬間、会場の空気が少し柔らかくなり、
参加者は大きくうなずいていました。
4年目に感じた成長
それから4年目。
当時「声が小さい」「覇気がない」と言われていた新人たちが、
今度は、後輩を指導する立場になって
育成担当者研修に参加しています。
研修中、時間を守る、挨拶をする、
話を聞きながらメモを取るといった基本の姿勢が
自然とできている様子に、これまでの育成の積み重ねを感じました。
また、ある育成担当者がこう話してくれました。
Dさん:どう伝えればいいか悩むこともあります。
でも、上司に相談したり先輩にアドバイスをもらいながら、
工夫して取り組んでいます。
その言葉には、後輩と真摯に向き合う覚悟と
誇りがにじんでいました。
育成の連鎖が未来をつくる
育成担当者が、ときには厳しく、
ときには寄り添いながら後輩を育ててきた。
その経験は、本人自身の自覚と成長意欲を大きく高めています。
そして今、育成の連鎖が確かに生まれています。
未来を担う彼らの活躍を、心から応援したいと思います。